春のおとずれの遅い飛騨はひと月おくれの”ひなまつり”を迎えます。
このお祭りは、昭和27年、もともと蚕糸業が盛んだったこの地方で、
春秋の2回蚕糸業祭がおこなわれて蚕糸業農家の年中行事となっていた
養蚕豊鐃と地域農業の振興を祈念する春の養蚕業祭に、
寒冷地のためにひと月遅れて行われるひな祭りをとり入れ、
絹に象徴される女性の気品と幸福を祈念するために始まりました。
また、戦後の新憲法により、神社が国の管理下を離れ、
宗教法人の1つとして自立した経営を迫られたことや
神社信仰を盛り上げようとしたのがきっかけともいわれ、
いわば神社の振興と蚕糸業の振興のために始まったとも言われています。
近年では蚕糸業が廃れてしまったため、祭を主催していた『蚕糸業奉賛会』も
『蚕糸農業奉賛会』と名前を変え、農業協同組合があとおしする
農業全般の豊鐃と女性の幸せを祈願する華やかなお祭りとして
毎年多くの人々を魅了しています。